Research & Development 研究・開発
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38PE-M CAN DP5 P.P.CAP

Project vol.9 閉めやすさを向上することで「液漏れクレームの削減」を目指したアルミボトル缶用キャップの開発 技術開発部 Y.I

現在も広く愛用されているアルミボトル缶(※1)は、2000年頃から市場での販売が始まりました。当社のキャップは、開けやすさや漏れにくさといった機能性を向上させるため、日々進化を続けています。本開発品は、大手飲料ブランド様から「年間約十数件発生している“液漏れ”クレームをゼロにしたい」というご要望を受けて開発がスタートしました。消費者相談窓口に寄せられたクレーム内容を分析したところ、飲用後にキャップを完全に閉めずにカバンに入れることで中身が漏れ、大切な持ち物が汚れる事例が多いことが分かりました。
※1リシール機能付きのキャップを備えた飲料缶

▲ 巻締め品

キャップ形状の工夫により閉めやすさを向上

その後の調査結果から、キャップの閉め不足が発生する原因として、ボトルの口部形状やキャッピング時の条件のばらつきによって、キャップを閉める際の抵抗が突発的に高くなることが確認されました。この課題を解決するため、様々なキャップ形状の試作・評価を繰り返した結果、最終的に以下のような形状の工夫により閉めやすさを向上させた仕様の開発に成功しました。

グリップ性の向上

キャップ側面部の凹凸の数を増やすことで、キャップを指で掴む際のグリップ性を向上させました。

閉栓時の抵抗の低減

ボトルとの嵌合部外側のライナー(容器を密封するための樹脂)を薄肉化することで、閉栓時の抵抗を低減しました。また、樹脂使用量を削減することで環境負荷低減にも貢献できました。

▲ 断面図

プロジェクトを振り返って

技術開発部
Y.I
キャッピング時の条件変更が必要となったため、全国各地の充填工場様でのラインテストに立ち会い、最適な条件を見極めることに苦労しました。製品化までのプロセスに初めて携わることができ、とても貴重な経験となりました。
技術開発部
R.K
キャップの側面とライナー形状を同時に変更する数少ない開発テーマでした。
試作等では様々な課題に直面しましたが、工場メンバーと協力し、製品化を実現できたことを嬉しく思います。
東部営業二部
Y.O
複数の検討形状を用いたお客様への提案を繰り返し、幾多のお客様ラインテストへの立ち会いと長い時間を要した立ち上げ製品でした。社内外問わず幅広い関わりを持てた良い経験でした。本開発や立ち上げに携わっていただいた多くの方々に感謝いたします。

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