Research & Development 研究・開発
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26&30フックスパウトセットカートン

Project vol.5 プルリング無しでワンタッチ開栓 製品開発部 第二グループ 大森 慎二

近年、紙パックに口栓の付いた容器包材が増加しています。これらの容器が使われるようになった当時、紙パックの口栓はプルリングを開封して使用するものが主流でした。そんな中、利便性の向上と環境負荷の低減を目指し、プルリングを付けずに密封性と開栓のしやすさを維持した口栓の開発を開始しました。お客様からの要望をもとに、ブリッジ(開栓時に切り離されるバンドとキャップ本体を繋げる部分)の破断感の付与と、破断時に鳴る音にこだわり、初めて開栓したことがはっきり識別できるようなタンパーエビデンス性を強調しました。標準口径26mmのキャップの上市後に実施した、中口径30mmのキャップ開発では、口栓が紙パック本体から突出しないように口栓自体の高さを低くする必要がありました。そこで、狭いキャップの握り幅でも開けやすくするために、キャップ側面の溝の形状を工夫し、グリップ性を強化しました。

▲ シール部拡大断面図

独自シール形状で開けやすさと密封性を両立

頂点が屋根型に加工された紙パック(ゲーブルトップ)の口栓は、キャップが屋根の部分に装着されるため、PET飲料のようにキャップ全体を握って開栓することはできません。指先でキャップをつまんでも開けられる、開栓のしやすさが求められました。プルリングを付けずに密封性を確保するため、PET飲料用に当社で多く使用しているインナーリングシール方式を採用しました。しかし、従来のキャップのような密封構造を導入すると、開栓に必要な力が大きくなってしまいます。そこで、キャップを閉めた時にスパウトと接するキャップコンタクトリング部が、スパウトのノズルの天面を押してたわませる独自の密封構造を採用したことにより、開けやすさと密封性を両立することができました。

▲ セット品断面図

プロジェクトを振り返って

製品開発部
大森 慎二
今回の開発によって、チルド用の紙パック口栓において基盤となる技術を構築できたと感じています。今後はより付加価値の高い製品の開発に取り組んでいきます。
東部営業一部
山本 剛
お客様並びに社内関係部署の皆様に多大なるご協力をいただきました。「絶対に諦めない」覚悟と責任をもって、さらなる拡売を目指します。
生産推進部
林 敬太郎
工業的ばらつきを限界まで許容するために、最新でユニークな電気制御をプログラムの容量限界ピッチピチまで詰め込みました。無駄バネのない安定的な生産装置は永遠のテーマです。
品質保証部(当時:製品開発部)
苫米地 諒
開発部門在籍時に初めて上市に携わった製品でした。紙パックを想定した漏洩試験の考案には苦労しましたが、試行錯誤の繰り返しは良い経験になりました。

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