Research & Development 研究・開発
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トルシア樹脂キャップ

Project vol.3 効率と安全を両立するナットアタッチメント 製品開発部 第3グループ 小林 龍太

実は日本クロージャーの技術が土木・建築業界のお客様の役に立っています。
2012年の笠子トンネル崩落事故以降、工事現場では一層安全意識が高まっており、ナットが適性トルクで締められているかの確認を行っています。ただ、その分作業効率が落ちてしまい、ヒューマンエラーによる締め忘れもありました。
そこで、適正トルクで締められると破壊され、ナットから外れるアタッチメントを開発できないかとご相談を受けました。アタッチメントが外れていれば適正トルクで締めた証明になり、締め忘れも防止することができるというコンセプトで開発がスタートしました。

▲ 適正トルクで破壊されるか検査を行う様子

トルク管理と締め忘れ防止を1つのキャップで

全く未知の業界であり開発も手探りでした。まず屋外で使用される製品でありキャップの材料では根本的に耐久性、強度が足りません。10種類以上の材料をテストし、最適なものを探し、製品形状も数十個以上テストしました。
そうして少しずつノウハウを蓄積していくことで、ようやく要求機能を満たした製品化が決定しました。しかし、商品化決定も束の間、不具合が発生しました。ナットをセットして1週間程経つと約1%の頻度で適性トルクを発揮せずに破損してしまったのです。原因はナットとの嵌合※が強すぎることでした。緊急で嵌合方法を抜本的に見直し、同時に不良発生頻度が90%以上になる過酷試験を構築しました。過酷試験で破損が0になるまで嵌合を最適化し、無事製品化することができました。
※嵌合:軸と軸受けのように、機械のいろいろな部分がはまり合う関係。また、その具合。

▲ 完成に至るまでの試作品の一部

プロジェクトを振り返って

製品開発部
小林 龍太
製品化を初めて経験でき、大きな自信になりました。高速道路を走る時には「ここで使われたかな?」と想像しつつ運転しています。
製品開発部
村井 将孝
屋外の厳しい環境下でも使用される製品であり、過酷条件を想定した材料選定や評価方法確立に苦労しました。3グループ全員の協力で製品化できました。
製品開発部
村元 勝広
開発途中から参加した形になりますが、低頻度で発生する製品割れの原因究明と再現試験に試行錯誤しながらメンバー一丸で取り組んだのが今では良い思い出です。
西部営業部
佐藤 友宣
土木・建築業界という今までお付き合いのないお客様でしたが、お客様・当社が一丸となって製品を立ち上げられたことがとても良い経験になりました。

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