Research & Development 研究・開発
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38PP-M CAN RW3A P.P.CAP

Project vol.4 密封の形状から、開けやすさへアプローチ 製品開発部 CS技術グループ 細野 浩二(当時:製品開発部 第一グループ)

近年のボトル缶市場において、キャップに求められる性能として「①易開栓」「②耐衝撃性」「③液噴き(※1)防止性能」などがあります。特に高齢化社会が進む国内においては、「開けやすい」キャップが強く望まれています。従来のボトル缶用P.P.キャップは、外観を形成する天面のアルミ(アルミシェル)に、内部を保護するライナー材(1層)が接着されたタイプが主流でした。しかし、この従来の接着タイプでは、ライナー材とボトル口の嵌合力の加減により、開栓に必要な力が左右されてしまいます。開けやすさを求めて嵌合力を低減させると密封性も低下してしまうという、開けやすさと密封性はトレードオフの関係にありました。
※1 液噴き…キャップ内部に溜まった液が、開栓時に外へ噴き出すこと

▲ 38PP-M CAN RW3A P.P.CAP

2層構造で開けやすさと密封性を両立

当社独自のライナーモールド技術(※2)により、開けやすさと密封性を両立できるライナー構造(2層)を構築しました。アルミシェルと一層目のライナーを非接着とすることで、開栓に必要な力を弱めました。さらに二層目のライナーに柔らかく、かつ耐熱性の高い素材を使用することで、高い密封性を保ちながら、開けやすいキャップの開発にいたりました。なお、二層目のライナーの形状を工夫し、キャップ内の液溜まり量を少なくすることで、開栓時の液噴き量の低減にも成功しました。
※2ライナーモールド技術…明確に定義されたプロファイルに従ってライナーを成形する技術

▲ 嵌合断面図

プロジェクトを振り返って

製品開発部
細野 浩二
キャップ内部のライナーを2層構造にするというのは初めての試みでしたので、多くの課題がありました。トライ&エラーの繰り返しでしたが、他グループからもアドバイスをいただき、製品化にいたりました。本開発に携わっていただいた多くの方々に感謝いたします。
製品開発部
吉田 舜弥
入社して、初めて製品化に携わることができ、とても良い経験になりました。
今回の経験を活かし、今後も設計業務に励んでいきたいと思います。
製品開発部
近藤 英典
ライナーモールド成形で初めて扱う樹脂材で、最初は成形することが困難でしたが、
生産工場へ通い続け、現場の方々とともに生産性を確立することができました。

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