Research & Development 研究・開発
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ISO対応TSK10ユニロックスパウトセット

Project vol.10 世界初!ISO80369-3対応インナーシールタイプのスパウトセット 技術開発部 YJ

2019年12月から経腸栄養分野において、栄養剤を静脈や気管チューブに誤って接続できないようにするため、オスコネクターとメスコネクターの形状を定めた新規格であるISO80369-3が導入されました。当社は過去に、ISO80369-3規格導入への対応として、スパウトに装着するアダプターを開発・上市していました。しかしこの場合の使用方法は、①スパウトの折り取り部を破断 ②スパウトにアダプターを装着③アダプターにコネクターを接続する という3つの手順が必要であり、ユーザーにとって利便性が低いものでした。そこで、ISO80369-3規格のコネクターに直接繋げられるスパウトを開発することにしました。

今回開発したスパウト・セット品
▲ 今回開発したスパウト・セット品

ISO80369-3規格とスパウトセット要求性能への適合

ISO80369-3規格に使用される器具は形状について一部制約があるため、規格への対応と、スパウトセットに要求される性能の両方を適合させる必要がありました。

製品開発段階において最も大きな課題となったのは、 ISO80369-3規格コネクターとの密封性能でした。
スパウトにネジを設けているため、ネジのある製品部は厚肉になり、それに伴い内周面側に成形要因による凹みが発生していました。その部分とコネクターのシールポイントが重なることで、密封性能が大きく低下していました。
そこでスパウト内周面形状を変更し、シールポイントへの影響を失くすことで、
密封性能を大きく向上させることに成功しました。

改良前後の機構の違い
▲ 改良前後の機構の違い
スパウト口部詳細図
▲ スパウト口部詳細図

プロジェクトを振り返って

技術開発部
T.A
世界初の製品仕様であったため、いくつもの課題がありましたが、多くの方々のご協力によって、製品化することができました。
この経験を糧に、感動を与えられる付加価値の高い製品開発をおこなえるよう、努めて参ります。
技術開発部
Y.K
本製品を開発するにあたって、ISO80369-3で複数の評価項目が定められているため、丁寧に評価することを心掛けました。初めて経験する評価方法も多く、貴重な経験になりました。
技術開発部
Y.T
手間のかかる事案が多かったため苦労しましたが、その分愛着のある製品です。使用する方の生活が少しでも豊かになっていたら嬉しいです。

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